屋根のない博物館を目指して

国際森林年を境に、世界中で森林資源を見直し、次世代につなげていこうとい
う動きがあります。ただ同じ目標を掲げていてもアプローチはその国ごとに違
っていると思います。国民性とでも言いましょうか?その国の背景にある、た
とえば歴史、文化といったものの違いがあると思うのです。

日本でも森林を保護し共存していこうという動きがあります。

細かく見れば、地方によって少しずつ違いもあるでしょうし、それぞれ特色も
あると思います。でも「昔からの地域文化を認識し、先人の知恵や考えを生か
しつつ次世代に伝承していこう」という姿勢は同じで、気負うところなく自然
な形で森林の保全と伝承をしていこうという「日本らしさ」を感じます。

岡山県高梁市のNPO法人が実践している「屋根のない博物館」という森林保
護事業は興味深いところです。

岡山県備中地方の自然、歴史、文化を「屋根のない博物館」に見立てて、訪れ
た子供から大人までが参加出来る「体験型環境学習プログラム」を用意してい
ます。参加者は自分の体を使って、五感をもって自然や文化や風土を感じるこ
とが出来るのです。この様な体験の中で、「日本独特の伝統的自然観」や「仲
間意識」「自然環境を持続していこうと思う心」が沸き起こってくることを期
待するのです。

NPO法人の活動は、岡山県はじめ行政、高梁市周辺の学校法人、JX日鉱日
石、オムロンなどの大企業など、複数の団体が協賛し連携して事業を拡大して
います。はじめ里山の自然を守り伝承していこうと始まった運動も、今では産
学官民連携の高梁川流域を中心とした広域交流事業に成長したのです。

国際森林年のテーマは「フォレスト フォー ピープル」(人々のための森林)
です。
このNPO法人は、森林年のテーマそのものをその名称に掲げています。
「人々のため」に、人と社会、その関連性を重くとらえながら、いかに連携し
て森林資源をはじめとする自然環境に寄与し共存して行くか?次世代にどのよ
うにつなげていくか?
今後も長期的スタンスで、自然と共に地域社会の持続的発展を目指て行く事で
しょう。